「住宅瑕疵担保責任保険講習会(8/19)」での質問回答

Q.てん補率は100%ではないのですか。また免責金額はなぜあるのですか。

A.国土交通省令において、てん補率は売主等に支払う場合は80%以上、住宅供給業者(売主等)の倒産時などに住宅購入者等に直接支払われる場合は100%と定められています(規則1条、2条)。
これは住宅供給業者は自ら瑕疵のある住宅を引き渡した者であり、本来は自己が供給する住宅に瑕疵が発生しないよう建設工事や施工監理等を適切に行う義務を負っています。にもかかわらず、仮にてん補率が100%とすると、住宅供給業者が建設工事や施工監理等をないがしろにしても構わないという危険性が生じることになります(これをモラルハザードといいます。)。
けれども、保険金が住宅購入者等に直接支払われる場合には、住宅供給事業者が倒産した場合等に限定されているため、モラルハザードが起きる心配がなく、むしろ、住宅購入者等の保護のためにもてん補率を100%とする必要があるからです。
また、一定額以下の損害は保険金支払い対象から除外するという免責金額の設定は、保険金支払請求が濫訴的になされることを防ぐためにも必要と考えられ、戸建住宅においては10万円と定められています。(規則1条1項、2条1項)
(参考資料「これで万全!!住宅瑕疵担保履行法Q&A政省令対応版」)